乳癌細胞増殖の分子機構解明から創薬へ

徳島大学の片桐豊雅教授らは、新規エストロゲンシグナル制御分子BIG3と既知のエストロゲン受容体(ER)抑制因子PHB2との相互作用が、ER陽性乳癌細胞の細胞増殖に中心的な役割を果たすことを発見しました。しかし、BIG3は機能不明の巨大なタンパク質で、生化学的な取り扱いが困難でした。我々は、独自に開発した方法によるタンパク質立体構造予測とタンパク質—タンパク質間相互作用部位予測を組み合わせることで、BIG3のどの部分がPHB2とどう相互作用するかを予測しました[1]。予測した相互作用部位に基づいて設計した阻害ペプチドは、PHB2によるERの抑制活性を導くことにより乳癌細胞増殖を抑制し、さらに抗ホルモン剤タモキシフェンの効果を強めることがin vitroとin vivo 実験で示されました[2]。

文献
1. Chen, Y.A., et al. (2014), BMC Res Notes, 7:435.
2. Yoshimaru, T., et al. (2013), Nat Commun, 4:2443.
3. 読売新聞2014年9月22日朝刊、14面記事